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2019.6.23

令和の夏至、エネルギーが大きく変わる6月22日。
ナース大会議「家族死生観」を無事開催することができました。
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
また、当日は参加できなかったけれどFBグループでご自身の体験をシェアあるいはコメントをくださった方が大勢いて、その方々の力もお借りして素晴らしい一日になりました。

参加された方の中には、まさにガンで余命告知を受けている方もいらっしゃいました。
他にシステムエンジニアの傍ら介護職に携わっている人、また、家族が最期を迎えようとしているという方もお越しくださいました。
そして同じ場に看護師や介護職がいるという前例のない状況。
病院や施設の枠を越え、誰が教えるでもなく、皆が経験を共有して死について考察するー
こんな日はもう二度とないかもしれないと思うほど、和やかで穏やかで深い一日でした。

 

 

 

 

 

 

9時30分開会の後、全員揃って瞑想から始まりました。
今ここにある命に感謝して、人類の未来に愛を尽くすための一日。
みんなが心を一つにします。

 

 

 

 

 

 

開会式の後、3名の方にそれぞれの体験や想いをお話いただきました。
ICUでの過酷な経験、友人の経験…
そして何よりも有り難いのは、実際にガンで余命宣告を受けている一般の方が登壇してくださったことでした。
もっともっとお話を伺いたかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リビングエピソード」の意味は、生きている記憶。
お話される人の心の中では、その人はまだ生きているんですね。

 

そして【現役現役看護師僧侶/玉置妙憂さん】の講演へ。

 

 

 

 

妙憂さんは4月にNHKクローズアップ現代にご出演されてから講演依頼が殺到していますが、昨年のナースサミットでの親睦によりご配慮くださいました。
先日クラウドファンディングに成功され、「在宅療養者及び家族の心を支える訪問スピリチュアルケア専門講座」開講に向けてご活躍の真っ最中です。
妙憂さんのお話は癒されるだけでなく、次の一歩を踏み出す勇気を与えてくれますね。

 

3名の勇気あるお話と妙憂さんの安心で包み込まれるようなお話が、この後のグループディスカッションを有用な時間にしてくれました。

 

 

 

 

グループごとに経験をシェアするディスカッション。
この時間は、初対面とは思えないほど濃厚な話ができ、来てよかったという声がいちばん多く聞かれました。
私たちは日常で多くのことを経験し、多くの想いを抱えているけれども、話す機会がないため本当にこれでよかったのかどうか迷うんですね。
死生観はシェアし合うことの大切さを改めて感じました。
そして各グループごとにテーマを決めて代表者さんに発表していただきました。

 

 

 

 

 

 

その後ランチタイムー
午後はワークの予定です。
私たちが言語で理解するのは左脳だけ、さらに体感することで右脳が活性化し、全脳で腑に落ちるという体験をします。
3つのワークで徐々にご自身の内面へと入っていきます。

1つめのワークは「お葬式ワーク」です。
88歳になり、まさに今から自分のお葬式が行われようとしているとき、誰からどんなお別れの挨拶を言ってもらいたいか想定します。
このとき「上手な想像の仕方」を学び、「人は二度死ぬ」の原則に基づいて行うため、恐怖心なく取り組めます。
そして88歳から遡って数年後の未来まで想定します。
参加者さんがワークシートの写真を投稿してくださっていました。

 

 

 

 

 

 

 

皆さんが腑に落ちたのは、2つめの「心の葛藤を解決するワーク」ではなかったでしょうか。
親の延命治療をするか、するべきでないか、多くの人が葛藤すると思います。
会場から2名の方にご協力いただいて壇上で葛藤劇をしていただきました。
すると最後は「えええー」「はぁー」「そうゆうこと?」と、会場からハッとした空気や力が抜けるような空気に包まれました。

 

 

 

 

 

その後、会場の同意をいただいて、医療従事者の葛藤もワークさせていただきました。
多くのナースの心を病ませている「延命すべき?すべきでない?」という対立意見です。
命を救うことが医療者の務めだろ?!という意見は確かに正しい。
ですが、命を救うことが必ずにも幸せに繋がらないことを感じる医療者が増えています。

2人のナースに登壇いただき、ドクターとナースの役柄で葛藤していただきました。
さて、その結果は…?

 

 

 

 

 

 

3つめは時間軸を歩き、ご自身の力で心の深い部分に入っていきます。
他者の死を見ている感覚と、実際に死を間近にした人の感覚はまったく違うものです。
「想像していたほど怖くない」「自分のことより家族のことを考えてた」という感想をいただきました。
これは体感していただかない限りわからないもので、参加者全員でつくる場のエネルギーがあるからこそ可能になるワークです。

また、このワークではご家族や第三者の視点も体験します。
私たちはこうして、自分でいながら他者の視点を想像することができるー
そしてこの力を経験していただくことによって、万が一のことが起こっても動揺せず落ち着いて相手の視点で物事を考えられるようになる。
自分なりのモノサシを持ってくださることを願って取り組みました。

 

 

 

 

 

 

そして最後はみんなで一つの和になって終了。

 

 

 

 

 

記念撮影。

 

 

 

 

そして懇親会へ。

 

 

 

 

 

まだまだ死に対してタブー感が強い中、自分と家族、そして患者さんの命に真摯に向き合おうとする、意識の高い方々とともに一つのエネルギーが形成されました。
この新しいエネルギーが各々の中に気づきを生み、徐々に周囲へと拡がりゆくことを願っています。

ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。