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『より良い死に方』の研究
すべての人が自分らしく穏やかな最期を迎えるために~

たとえば、あと3日で命が終わるー
そのときあなたは誰を想い、何を望むでしょうか。

「人に迷惑をかけたくない」とほとんどの日本人が望むのではないでしょうか。また「できるだけラクに死にたい」「残される家族が幸せであってほしい」と思うのではないでしょうか。では、そのために何をすればいいのでしょう?

私たちはあまりにも死から遠ざかりすぎて、知らないことが多すぎます。看護師であっても、看護学校で死を学ぶことはありません。そして死を経験した人がいないため、誰からも教わることができないという状態です。つまり私たちは人生の最終段階にいる人から教わるしかないのだろうと思います。

わずかながらでも看護師の経験が役に立つのであれば、これから日本が迎える多死社会に対して、できるだけ穏やかにその時を迎えることができるよう、何かしていきたいー。この時代に看護師でいることは意味があるのだろうと思います。微力ですが、情報化時代だから何か出来るような気がしています。

より良い死に方

 

 

 

 

 

安心して晩年を過ごせる日本にしたい

私たちは何があれば穏やかな最期を迎えることができるのでしょうか。健康保険や介護保険、年金が安心をもたらしてくれるわけではないと思います。やはり“死”と向き合ってみることではないでしょうか。1900年代に死を研究した精神医学博士キューブラ・ロスは、人生の最終段階としての学びがあると言っていました。

私たちの死への不安は漠然としています。人は遅かれ早かれ死の前に必ず意識を失いますが、それがいつ来るかわからないことへの不安があるのかもしれません。意識がなくなった後は他者に委ねることになり、人生の最期の最期を自分で采配できなくなることへの恐怖心があるのではないでしょうか。ただ、自分だけ、家族だけで向き合うのは難しい問題だと思います。

たとえば遺産相続はお金に詳しい保険会社の人と法律の専門家が入ります。その人の意志を尊重するための仕組があります。では、身体は? 自分自身で采配できなくなったとき、どうしたいでしょうか。親のみとりで苦い思いをした人ほど、ちゃんと向き合いたいと思われるのではないでしょうか。新しい仕組が必要かもしれませんね。

より良い死に方

 

 

 

 

 

誰かのための自分でいること

「病床でつづる癌患者の報告」という、富士通の会長さんが2009年に書かれた手記を拝見したことがあります。その状況になれば、誰しも自分のことで精一杯だと思いますが、埼玉新聞に連載されていました。とても厳しい状態の経過が書かれており、胸に突き刺さる内容でした。最後の記事は延命処置に触れ、「医療行為に制限を」と書いていらっしゃいました。

どんなお気持ちで書かれたのだろう?と思います。ご自身の気持ちを保つだけで精一杯だったはずですが、何か急かされるような感覚があったのでしょうか。そしておそらく、自分が亡き後、この手記を読む人がこの経験を生かしてくれることを願っていらっしゃったのではないかと思います。

人の力は不思議です。自分のためにはさほど頑張れないけど、人のためだと思えとが出来たりします。それが誰か特定の人でない方が出来ることがあります。

生きている私たちは、人生の最終段階の方から「もっとこうしておけばよかったと思うこと」「もっと早くに知っておきたかったこと」、そしてその人の「想い」を知ることができれば、とてもとてもとても有難いことだと思います。閉ざしてしまうことがほとんどだから。ですが医療従事者さえ、死については誰からも教わることができないのです。

私が拝見した手記は紙媒体でしたが、今ならデータで残して、命と向き合おうとする多くの人に共有できただろうと思います。

 

 

 

 

 

皆さまの意見を聞きながら進んでいきたい

私は看護師として、人より多く最期の瞬間に立ち会ってきました。30年働いて来ましたが、死の意味がわからず、長い間死を避けていました。怖くなくなったのは、父親の死を経験してからです。死については、これと言った答えがあるわけではなく、それぞれが命に対するモノサシを持つことができたらいいなぁと思います。

そのため多くの方のご意見を参考にして、共有していきたいと思っています。ある人は「死が冒険だったらいいなぁ」と仰っていました。あなたが“より良い死に方”をするために必要なことは何でしょうか?

 

 

 

 

 

余命を告知された方のお話を聞かせてください
ご協力お待ちしています。

余命を告げられた方が辛く厳しい状況であることは重々承知しています。ですが次の世代のために、今のお気持ちを聞かせていただけませんか?死を目の前にして人が何を思うか、何があれば安心できるか、余命告知された方から話をお伺いして、社会に活かしていきます。私に何が出来るかわかりませんが形にして必要な人に届けていきたいと思っています。お力をお借りできる方の連絡をお待ちしております。

 

 

 

 

・ご自宅にお伺いしますので大阪近郊の方にお願いします
・月1回程度東京に行きますので予定が合えば訪問いたします
・ご紹介もお待ちしています

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より良い死に方のためのヒアリング

 

 

 

看護師として、ひとりの人間として、死に携わった経験をブログに書いています
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<D・WELLNESS通信 VOL.1>2022.5発刊