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結びの力

古来より日本人は、森羅万象の働きを八百万の神々と呼んできた。
心を透明にすることにより天然の宿りを感じ
意図や作為のない状態で、自然と一体化して生きてきたのである。

古来より日本人は、森羅万象の働きを八百万の神々と呼んできた。
心を透明にすることにより天然の宿りを感じ
意図や作為のない状態で、自然と一体化して生きてきたのである。

すべてのものに
神が宿るという思想

 日本は四季に恵まれ、自然の営みに準じてきました。そのため日本人にとって命の誕生と死は、ごく普通のことと認識していたようです。戦前までのお葬式は皆で笑いながら故人を慈しむ習わしでした。また誕生日を祝うようになったのも戦後のことです。大切な人を失うのは悲しいことだったでしょうが、すべては循環していることを心のどこかで悟り、だからこそ生命に執着せず自然体で生きられたのではないでしょうか。

 戦前の思想家、今泉定助が「霊魂とは宇宙万物の根源たるものを云ふ」と残しています。とくに島国である日本は、災害もさることながら、水や山の豊かさを受け取っていますね。水や大地は万物に共通する命の源であり、日本は豊かな精霊たちに取り囲まれています。自然から成る食べ物に対し、「おいなりさん」「おまめさん」と「さん」を付けたり、「お豆腐」「おむすび」「お風呂」「お手洗い」など「お」をつけるのは、日本人が精霊の存在を感じてきた証ではないでしょうか。

人結び
お金結び
病気も結びの一つ

 霊は“憑りつく”と表現しますが、いつの間にか心に入り込み、私たちは無意識的に霊の支配を受けます。災害が自然の御霊に寄るものならば、日本人として省みるべきことがあるでしょうし、近年多くの日本人を苦しめている理不尽な病においても、私たちが何か気づかねばならないことがあるような気がしてなりません。

病気はあまり良ろしくない霊の仕業とも言えます。原因不明の不治の病、また遺伝や先天性疾患、重度の後遺症をお持ちの方は「なぜ私がこんな目に?」「何のために?」という問いを抱えておられることと思います。生と死という二項対立のテーマの根底にあるのは霊魂であり時空です。日本は再び次元を上昇させるべきときに来ているのだと思います。

 憑りつくという表現は聞こえが悪いですが、霊のお働きは単に“産霊”(結び)をします。荒魂(あらみたま:破壊して新たに作り直す)和魂(にぎみたま:安らぎをもたらす)のどちらに結びを起こすかは、魂の状態に左右されます。人とのご縁は霊による働き。また貧乏神という言葉があるように、お金も霊による産霊(結び)の働きです。

霊の結びに大切なのは「魂磨き」です。それは「祓う」という特有の日本文化によってなされます。日本以外の国は「失くする」という概念がなく、積み重ねることしか認識できませんが、私たち日本人は祓うことによって空(くう)に至り、新たな産霊(結び)をつくることができるのです。