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いつか必ず訪れる死。迷惑をかけないために心得ておきたいこと5つ

より良い死に方

 

縁起でもない…と避けたとしても、いつか必ずすべての人に訪れる死。避けていることが事態を悪くする…という現実を、私たち看護師は目の当たりにしてきました。ご一読いただけますと幸いです。

1.想像と現実のギャップ

漠然と最期の瞬間を考えてみたとき、ベッドや布団の上で静かに目を閉じて横たわり、走馬灯のように過去を振り返っているご自身を思い浮かべるのではないでしょうか。それが本来の願望だと思います。誰だって最期のときを穏やかに迎えたいものです。ところが現代において、それは難しいことになっています。なんとなくそれが解かるから「迷惑をかけたくない」と思うのではないでしょうか。

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2.死ぬ前に意識を失う

「人生最期に通る道」を看護師の視点で見ると、病気で死ぬことはありません。たとえガンであってもコロナであってもです。人が死ぬときというのは、心臓が止まったとき、もしくは脳の活動が止まったとき。よってどんな病気であれ、遅かれ早かれ死の前に「意識消失」という道を通ります。ということは、私たちはどこかの時点で、自分自身の命を誰かに委ねることになります。

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3.意識を失うとどうなる?

意識を失っても、脳内における生命維持機能や心臓が機能していれば、肉体は存続します。「聴覚」は最後まで残っていると言われます。私たち医療者も経験的に感じていて、意識のない患者さんのそばで話すときは気を付けるようにしています。エビデンスがあるわけではなく、私自身も未経験なのでわかりませんが、手や足や口は動かせないけれど話はすべて聞こえているかもしれません。もし言葉の意味を解釈する大脳が正常に機能していれば、話は全部聞こえていて反応したいのに出来ない…という状態かもしれません。

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4.意思表示

急死や事故死でない限り、意識を失うときが来ます。聴覚が残っていたとしても反応できなければ、自分という人間の命は周囲の人たちに委ねられることになります。意思表示をしていない場合、誰かがその後を判断することになり、あなたの命の重みを背負うことになります。それは恐らく不本意な人生の結末ではないでしょうか。私たちは元気なときにこそ、死について考えておくべきではないでしょうか。

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5.居場所で変わる

1950年くらいまでは自宅で亡くなることが普通でした。その後、病院の制度改定により1970年くらいから現在に至るまで、病院で亡くなられる方が圧倒的多数です。介護保険が制定され、2010年あたりから施設で最期を迎える方が増えてきました。自分がどこに身を置くかによって、その対応が変わって来ると思われます。病院は何らかの治療をしますので、治療しない状態になれば家族は転院先を探さねばなりません。介護施設では、状況によって看取りをする施設は増えていますが、すべての希望者が入れるわけではない…という現状です。ぞじて自宅で看取ることになれば24時間家族の付き添いが必要な状態になります。

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まとめ

意志表示をしておきたいと思っても、ご自身やご家族だけで決めるのは、あまりにも情報不足でしょう。医療者や介護者と一緒に考える必要があると思います。ですが、それができるのは病院や施設に入ってから…です。そうすると“時すでに遅し”となりかねないのです。私たちは元気なときに死と向き合い、ご自身もご家族も納得できる道を模索しておくべきではと思いますが、いかがでしょうか。

 

 

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