言霊学について
言霊学は天皇の学び
神武天皇の即位から約2600年、皇室では宮中祭祀が受け継がれてきました。祀り事(まつりごと)とは政り事(まつりごと)。宮中祭祀は天皇が国家と国民の安寧と繁栄を祈る目的で行なわれます。しかしながら明治初期の開国で諸外国が流れ込んで来たときより、その真義は封印され、宮中祭祀は簡略化されました。現皇室では年間26の祭祀が執り行われ、先日の即位礼正殿の儀もその一つです。各国の代表を初め、多くの人が相当な時間をかけて準備をし、特別な場を使い、厳かな空気の中、天皇がわずか1分ほど言葉を述べられました。これがまさしく言霊です。
世界の始まりは日本の五十音だった
五十音といっても、現代人が知っている五十音とは違いがあります。ひらがなの特徴は「母音」「父韻」「子音」が枡のように整然と並んでいることです。これが世界を網羅しており、宇宙に通ずるエネルギーになっています。日本の五十音ほど整った言語を持っている国はなく、世界のあらゆる宗教は五十音が基本になっていると言われます。世界の石碑などに記されている古代文字のほとんどは、日本の神代文字で読めるそうです。
五十音の秘儀は古事記に隠されていた
世界を網羅し、宇宙に通ずるエネルギーを持つ五十音を、古代の日本人は古事記の物語に秘めました。古事記にはたくさんの神さまが登場し、その名前を読むだけでも難しく挫折しそうになりますね。昔から「古事記を解く者は死す」とまで言われていたのは、日本の重要書物だからです。古事記はすべての人の幸せを目的に神さまたちが行った国づくりゆえ、現代のビジネスや人間関係に通じています。2600年前に書かれていることが、宇宙の原理だとはすごいことだと思います。
言葉よりも五十音が要
通常ことだまは、言葉に力があると思われています。「ありがとう」と唱えれば美しい氷の結晶ができ、「バカ」と唱えればガタガタの結晶になる、というのはよく知られています。ですが言霊の真意は、五十音にその力があります。母音は大地を意味し、父韻は天を意味し、両方で子音が誕生しています。五十音の使い方によって穢れを祓い、また五十音によって新たな結びを起こすことが可能です。ビジネスや結婚のご縁は結び、そして病気もまた結びなのかもしれません。
音を発する主体の状態が影響する
そして何よりも、音を発する主体の状態が五十音に影響します。アファメーションを繰り返し唱えてもいまいち効果が出ないのだとすれば、唱えている主体に問題があるためです。機嫌よくアファメーションを唱えているときだけでなく、それ以外のときに考えていることや感じていることもすべて言霊の力が作用しています。つまり天皇は国民の平和と幸せを願う立場として、普段からあらゆる想念や観念や自我などの穢れを祓います。現在神社で行われているお祓いは、もともと天皇のために行われていたもので、すべてを含めた一連の儀式が宮中祭祀であり言霊です。