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「馬よりすごい日本人」ベルツの日記より/先人たちの智慧を現代に

「健康とは根の根」、人生のもとを成す文化そのものです。とくに努力して獲得するものではないけれど、失ったときその大切さに気づきます。真の日本の歴史と文化を知り、日本人が元気を取り戻すことを願っています。

 

江戸末期、西洋医学を教えに来たドイツの医学博士ベルツは
日本人の稀に見る健康体に驚き、最後にこの言葉を残しました。
「もしあちらのすべてを受けようというのなら、日本人よ、おさらばだ」

馬よりすごい日本人

明治時代、日本に招かれたお雇い外国人のエルヴィン・フォン・ベルツは、27年にわたって日本に西洋医学を教え、医学の発展に尽くしたドイツ帝国の医学博士です。ベルツは日光東照宮の観光を勧められ、ある日110kmの道のりを、馬を6回乗り換えて14時間かけて行きました。ところが2度目は車夫に依頼したところ、なんとその車夫はたった一人で、馬より30分余分にかかっただけで東照宮に着いてしまったのでした。

普通に考えれば、人間より馬の方が体力はあるし格段に速いはずですが、これではまるで逆です。この体力はいったいどこから来るのだろう。ベルツは驚いて車夫にその食事を確認したところ、「玄米のおにぎりと梅干し、味噌大根の千切りと沢庵」という答えでした。聞けば平素の食事も、米・麦・粟・ジャガイモなどの典型的な低タンパク・低脂肪食。もちろん肉など食べません。ベルツからみれば相当の粗食でした。

驚いたベルツは、この車夫にドイツの進んだ栄養学を適用すればきっとより一層の力が出るだろう、ついでながらその成果を比較検証してみたいと実験を試みました。「ベルツの実験」です。22歳と25歳の車夫を2人雇い、1人に従来どおりのおにぎりの食事、他の1人に肉の食事を摂らせて、毎日80kgの荷物を積み、40kmの道のりを走らせました。

こんなに母乳の出る民族をみたことがない

すると肉料理を与えた車夫は疲労が次第に募って走れなくなり、3日で「どうか普段の食事に戻してほしい」と懇願してきました。そこで仕方なく元の食事に戻したところ、また走れるようになったそうです。一方、おにぎりの方はそのまま3週間も走り続けました。

当時の人力車夫は、一日に50km走るのは普通でした。ベルツの思惑は見事に外れたのでした。彼はドイツの栄養学が日本人にはまったくあてはまらず、日本人には日本食がよいという事を確信せざるをえませんでした。また日本女性についても「女性においては、こんなに母乳が出る民族は見たことがない」とベルツはもらしています。その後ベルツは日本女性を娶り、帰国後はドイツ国民に菜食を与えたほどでした。

ベルツは無条件で西洋文化を受け入れようとしている政府に対し、こんな言葉を残しています。
「もしあちらのすべてを受けようというのなら、日本人よ、おさらばだ」と。

フンザ食の実験

車夫は努力して「玄米のおにぎりと梅干し、味噌大根の千切りと沢庵」を食べていたのでしょうか?きっとそれが当たり前の暮らしだったのでしょうね。健康は意識して成すものではなく、無意識のうちに自然に形成される底力のようなものです。ですが私たちは西洋料理の美味しさも知ってしまいました。どうすることが最善なのでしょう。

こんな実験結果があります。
1920年インド国立栄養研究所に就任していたイギリスのR・マッカリソン博士が、「不老長寿郷フンザ」の話を聞いて調査に行きました。フンザはパキスタンの北東部にある小さな農村で、冬は零下20度にもなり雪の多い地方です。山の斜面の段々畑で、かいがいしく働く50~60歳の人たちが大勢いました。ところがその人たちの多くが100歳以上だと知って、博士は驚愕しました。そしてマウスを使ってある実験をおこないました。
健康寿命120歳説/船瀬俊介著より>

A群:フンザ食
チャパティ(フンザ食の主食である硬い雑穀のパン)
もやし、生ニンジン、生キャベツ、殺菌されていない生牛乳。
B群:インド食
米、豆類、野菜、肉類を調味料を使って調理したインド人の常食。
C群:西洋食
白パン、バター、ミルク、砂糖入り紅茶、野菜の煮付け
ハム、ソーセージ、ジャムなど。

生後すぐのマウスから開始され27ヶ月間与え続けました。これは人間に換算して50歳に相当します。
その結果ー

A群:フンザ食
マウスはただの一匹も、ただの一ヶ所も、病的変化は観察されず、100%完璧な健康状態だった。
B群:インド食
マウスの約半数に、脱毛症、う蝕症(虫歯)、肝炎、腎炎などの病変が発症していた。
C群:西洋食
マウス全匹に、例外なく、各種各様の病変が検出された。
身体的病変のほか、精神異常も見られ、共食い現象を引き起こした。

(画像はパキスタンSAIYAHスタッフブログさんからお借りしました。記事の内容に関係ありません)

先人たちの智慧を未来に活かす

西洋食が怖いとわかってもやめられない…。それは仕方のないことです。食べることへの欲求は、生きることへの欲求でもあるのですから。だけど健康を失うことはもっと怖いことですね。

私たちは農耕民族民族ですが、人類が誕生して800万年のうち、農耕を始めたのは約1万年前です。799万年間、人間は狩猟民族として生きてきたわけです。ですが今のような武器や技術がないことから、そう度々動物を捕まえて食べていたとは思えません。おそらくたまに肉や魚を食べる程度で、ほとんどは木の実や草を食べていたと思われます。

オーストラリアの原住民「真実の人」と言われるアボリジニは、近代までその文化を維持していました。先進諸国の潜入と支配に追いやられ、子孫を残さないと決めたアボリジニは途絶えてしまいましたが。人生を旅ととらえ遊牧するアボリジニたちは皆、人生を共にする一つのチームで、それぞれの特性を活かしてチームに貢献します。毎日その日のリーダーが主となって「もしそれが世界にとって幸せで、私たちにとっても幸せならばお与えください」と祈りを捧げ、天に恵を乞うのです。

ときに何日も何週間も水や食料にありつけないこともありますが、彼らの前に姿を現す動物は、たいてい怪我を負ったり年老いたりで動作が緩慢になり、群れが襲われることを恐れて離れた動物でした。彼らはそれを、臓器も皮も何ひとつ残らず活用し、小さな動物や鳥たちのために少し残します。人間も動物も自然の摂理に従って共存していたのですね。

日本人の特性を活かす

フンザや他の長寿国と江戸時代の日本の食事に共通しているのは穀菜食であること。また、日本人の多くがモンゴル系の血筋であると言われますが、モンゴル、チベットも穀菜食で、肉や魚は来客時やお祝いのときなど特別なときだけのようです。

〇〇は食べないとか、〇〇は体にいいから毎日摂る、などの偏りはいい結果を生まないことが多いです。情報は時代が変われば研究技術が進み、良いと信じていたものが逆になったり、また情報には何らかの意図があったりします。私たち日本人は、12月25日にはキリストの生誕を祝い、12月31日にはお寺の除夜の鐘を聞き、1月1日には神社にお参りし、バレンタイン、節句、お盆、ハロウィンなど、他国の文化も取り入れて楽しめる柔軟な国民性です。上手にバランスを取りながら食事も楽しめるのではないでしょうか。

長寿国の食事を見るかぎり、どの国みおいてもさほど動物性蛋白質は摂っていないようです。〇〇は美味しい、〇〇が好きという思い込みを外し、また周囲に合わせることよりも自身の体の感覚に従えば、身体はおのずと最適化するのではと思います。おそらく日本人は「限定」より「包括」の視点に長けています。

 

ご覧くださりありがとうございます。

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